養蜂講座

  

ミツバチの病気にはアメリカフソ病、ヨーロッパフソ病、チョーク病、ノゼマ病、マヒ病、下痢病、サック・ブルードなどがあります。なかでもアメリカフソ病とチョーク病はミツバチに甚大な被害を与える恐ろしい病気です。今回の養蜂講座ではこの二つの蜂病についてお話しいたします。丹精こめて飼育したミツバチを恐ろしい病気から守るための一助にしていただければ幸いです。

アメリカフソ(腐蛆)病
アメリカフソ病は病原体であるパエニバチルスラーべ(桿状バクテリア)により、ミツバチの幼虫がドロドロに腐ってしまう病気で、伝染力が非常に強く家畜法定伝染病に指定されています。もしもアメリカフソ病を発見した場合は、直ちに家畜衛生保健所に通報する義務があります。この場合、病群はすべて焼却しなくてはならず、その方法についても保健所の指示を受けることになります。

アメリカフソ病に犯された巣。巣房の蓋は凹んでおり、蓋を取り除くと、幼虫は暗褐色になって房底にダラリと伸びて横たわっています。楊枝のようなもので引き上げるとチョコレート色の糸を引くのが特徴です。

アメリカフソ病の判定方法 内検時に小さな穴があいている封蓋巣房を発見したら要注意。その穴に楊枝を入れ幼虫を引き出そうとしても、房の壁にくっついて離れにくく、入れた楊枝がチョコレート色の糸を引くようであればアメリカフソ病の疑いが濃厚。
どんな時発生しやすいか 弱体化した蜂群に発生する場合が多く、特に高温多湿の夏場は注意が必要。
予防法 内検を丁寧にし、衛生管理を徹底する
蜂群を強勢群にして抵抗力をつけておく
巣脾、巣箱の消毒を毎年欠かさず行う
巣箱や巣脾枠、蜂具の貸し借りをしない
治療法 サルファ剤、ストレプトマイシンなどを治療剤として与える方法が試みられているものの決定的な治療法とはいえず、現在最も安全確実な方法は巣箱ごと焼却処分するしかありません。


チョーク病
蜂児がチョークのように白く固化して死んでしまう真菌(カビ)による病気です。チョーク病も伝染病ですが、家畜衛生保健所への報告義務はありません。

チョーク病に犯された蜂児。
蜂児がチョークのように白く固化して死んでしまう蜂の伝染病ですが、細菌性の病気ではないので、蜂群が全滅することはありません。
チョーク病に侵され、巣箱から運び出されたた蜂児。
巣門の周辺にこうした蜂児の死骸を見つけたら、チョーク病の疑いが濃厚です。

チョーク病の判定方法 巣門の前に米粒を潰したような白いかけらを見つけたら要注意。巣脾枠を引き出し、巣房の中に白くチョーク状になった蜂児が詰まっていたらチョーク病です
予防法 内検を丁寧にし、衛生管理を徹底する
貯蜜を切らさず、蜂群を強勢群にして抵抗力をつけておく
巣箱の設置場所は湿地帯を避ける
できれば病気が発生した巣脾枠は焼却する
治療法 ヒノキ法 巣脾枠の上にヒノキの葉を枝ごと乗せ蓋をして、1週間に1回、取り替えることを数回繰り返す。養蜂協会や大手養蜂会社の中には、ヒノキの葉から抽出した「ヒノキオイル」という薬剤を発売しているところもあります。
木酢法 1週間に3〜4回ほど、巣脾枠の上からコップ半分ほどの木酢を振りかける。木酢はホームセンターの園芸用品売り場などで入手できます。