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養蜂講座

  

花も昆虫も姿を消してしまう冬になると、「自分が飼っているミツバチは冬を越せるのだろうか」と心配する声をよく耳にします。しかし、心配するには及びません。ミツバチは貯蜜さえ十分にあれば、それをエネルギーに、体を震わせて発熱し、巣箱内の温度低下を防ぎます。ですから、たとえ雪が積もるような寒冷地でも、決して凍死することはありません。もし死んだということであれば、それは蜜切れのために発熱できなかった場合がほとんどで、これは飼育している者の責任ということになります。

越冬方法
霜が降りる頃になると、巣箱いっぱいに広がっていたミツバチたちが中央に集まり、蜂球をつくるようになります。この時期になったら巣門を徐々に狭くし、12月に入ったら通常の1/3(5〜7cm)くらいにして、寒気が入るのを防ぐようにします。さらに、冬囲いもしなくてはなりません。越冬用の冬囲いにはワラなどで巣箱全体を包んだり、巣箱より一回り大きいプラスチックの箱を作り、すっぽり被せるなどの方法があります。寒さが特に厳しい地方では、巣箱を倉庫や物置に収容して越冬させることが多いようですが、春になって外に出すタイミングが難しいようです。寒冷地で屋外越冬させたい場合は、「渡辺式越冬箱」や「奥原式屋外越冬装置」を参考にされると良い結果が得られると思います。冬囲いが済めば、後はときどき巣箱の様子を見て、落ち葉や雪で巣門が閉ざされていないかを注意して春を待ちます。
寒さが本格化すると蜂球をつくる 徐々に巣門を縮小する

巣箱をプラスチックの箱ですっぽり覆った越冬装置 長野県富士見町の渡辺さんが考案した「渡辺式越冬箱」
長野県大町市で養蜂を楽しむ奥原さんの屋内越冬方法 奥原さんの屋外用越冬装置。北側に風除けのビニールシートを張り、巣箱はワラで覆う
渡辺式越冬箱の作り方はこちらをご覧ください。
奥原式屋外越冬装置はこちらをご覧ください。

越冬に必要な貯蜜の量と質
越冬中に必要な貯蜜量は通常、巣脾枠に貯蜜が充満し、両外側に蜜枠が1枚ずつあれば問題ないとされています。しかし、地域差や蜂種、蜂数、越冬装置、気象条件などによりかなり差があるので注意が必要です。「貯蜜は十分あったが蜂が死んでしまった」という話を聞くことがありますが、それは、越冬直前に給餌したため、ショ糖分が転化せず結晶化してしまい、蜂が吸蜜できなかったことによると思われます。給餌は必ず初秋に行い、ショ糖を完全な蜂蜜に転化させておく必要があります。給餌が遅れてしまった場合は、砂糖液ではなく自分が採取した蜂蜜を与えれば、結晶化を避けることができます。ただ、買い入れた蜂蜜は蜂病を起こす危険性があるので用いない方が安全です。

越冬中の換気
巣箱に越冬装置を施すと、換気の悪化から湿度が高くなり、保温材などにカビが発生し、やがて蜂病を起こすことになります。暖かい地域であれば、温暖無風の日を選び、よく乾燥した保温材と取り替えます。この作業は越冬中、様子を見ながら何回か実施してください。積雪のある地域では、こうした作業は困難となりますので、越冬装置を施す際、換気が十分に行われるよう、巣門から新鮮な空気が入り、汚れた空気が上方へ抜けるような排気口を作っておく必要があります。

越冬時の蜂数
蜂数が少なくても貯蜜が十分にあるから大丈夫だろうといって、そのまま越冬に入るのは危険です。保温効果を考えれば、越冬時には少なくとも5枚以上の巣脾に蜂がびっしりついている(1枚あたり1500匹以上)必要があります。蜂数の少ない巣箱は合同して越冬するのに十分な蜂数を確保しましょう。

冬の間にしておくこと
冬はミツバチを飼う者にとって最も閑な時ですが、この時期に是非しておきたいことがあります。  
巣箱の修理 いざという場合に備えて巣箱を修理したり、予備の巣箱を作っておきましょう。
巣脾枠の準備 壊れたり、スムシにやられた巣脾枠に新しい巣礎を張っておきましょう。
蜂場の確保 巣箱を置きたいと考えている場所があったら、この時期に地主と交渉しておきましょう。
研修会の参加 ミツバチ好きの集まりや研修会などに参加して、情報収集や養蜂技術の向上をはかりましょう。