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養蜂講座

  

採蜜は、養蜂家にとっても、趣味で養蜂を楽しむ者にとっても、1年間の苦労が報われる心躍る作業です。なるべく採蜜量を多くしたいと思うのが人情ですが、欲をかき過ぎると思わぬ失敗をするので注意しましょう。また、採蜜後の管理を充分にしないと巣脾枠が使い物にならなくなったり、蜂群の勢いが衰えて病気や害虫の被害を蒙ることにもなりかねません。採蜜したら終わりではなく、来シーズンに備えて採蜜後の管理を怠らないようにしましょう。

採蜜のタイミング
アカシアなどの主蜜源の開花期になるといよいよ採蜜です。この頃になると上下2段が満群になり、半月前に入れた隔王板によって上の段は貯蜜、下の段は育児と別れているので、上の段だけを採蜜します。
貯蜜枠のすべてに蜜蓋がされた状態が理想的ですが、実際には貯蜜枠の上部1/3程に蓋がされるようになれば十分です。最流蜜期には下の段にも4枚くらいの貯蜜枠ができますが、下段の蜜は薄い場合が多く、採ってしまうと長雨など不測の事態に対応できなくなるので採蜜は控えた方がよいでしょう。
主蜜源の開花期になると、上下2段が蜂であふれるようになる。 採蜜のタイミングは、貯蜜枠の上部1/3に蜜蓋ができた頃が最適。

掃除採蜜と除王採蜜
ミツバチがレンゲやアカシアなどの主蜜源の集蜜をする前に、前年の秋から貯まっていた蜜をいったん分離してしまうことを「掃除採蜜」といいます。掃除採蜜をすることで、主蜜源の蜜だけを効率よく採蜜することができます。掃除採蜜で採った蜜は非常に濃厚なので薄めて、越冬前や越冬後の給餌用として使うとよいでしょう。
主蜜源が開花する直前に女王蜂を除去して採蜜する方法を「除王採蜜」といいます。強群で上下2段が蜂であふれるような場合に、女王蜂を除去するか王カゴに入れて隔離すると、女王蜂の産卵が中止され、そのころ毎日封蓋房から働き蜂が出房するので、その空房に蜜が貯えられます。また、働き蜂の育児の仕事も減るので、外役蜂から蜜を受け取って貯蜜する能率が向上して、採蜜量が急増します。

採蜜は早朝に
採蜜は、何万ものミツバチが一晩中水分の蒸発につとめて蜜が濃縮されている早朝のうちに行いましょう。日中や夕方になると、新しい花蜜が入って蜜が薄くなってしまいます。薄い蜜は夏になると発酵して、すっぱくなったり酒のようになってしまいます。

採蜜方法
群数が2〜3群で空巣脾枠がない場合は、採蜜した巣脾枠をただちに巣箱に戻さなければなりません。採蜜作業を行うと蜂群は落ち着かず、それから3時間くらいは集蜜しないので、できるだけ手早い作業が求められます。
空巣脾枠をたくさん持っている場合は、貯蜜枠を引き出したあとに空巣脾枠を次々に入れ替えていきます。この方法だと、蜜の分離が別の場所でできるため効率的に作業ができます。
まず、燻煙器で煙をかけて蜂を静める。 蜜枠を引き出す。
巣枠の両耳をしっかり持って、上下に2〜3回強く振り、蜂を振り落とす。振り落とす場所は巣箱の中が一番ですが、巣門の前に新聞紙を敷いてその上に落としても構いません。 残っている蜂は蜂ブラシで払い落とす。あまり強く払うと蜂が傷つくので、軽く外側にはねるように払います。

蜜の分離
分離時に必要となる養蜂器具

分離作業は蜜の匂いで集まる蜂による盗蜜を避けるため、巣箱から離れた物置などの屋内で行うようにします。
まず、貯蜜枠には重いものと軽いものがあるので、重さごとに分類しておきます。これはなるべく同じ重さのものを分離器に入れてバランスをとるための準備です。次に、蜜蓋を切り、分離器にセットします。手動式の分離器の場合は、巣脾を壊してしまわないように、最初はゆっくり回し、徐々にスピードを上げるようにします。
右手に蜜刀を持ち、左手でしっかり蜜枠を持って、一斗缶などの上に立てかけ、下から上に向かって蜜蓋を切っていく。 蜜枠の半分くらいをしぼったら、反転させて反対側をしぼりきり、もう一度反転して残った蜜を分離する。
分離した蜜は蜜こし器を通して、ハチミツタンクや一斗缶に入れる。 蜜こし器で蜜蓋、蜂や幼虫などが取り除かれた、きれいなハチミツをビンに詰める。

採蜜後の手入れ
採蜜が終わった巣脾枠をそのまま継箱などに入れておくと、たちまちスムシの被害を受けて使い物にならなくなってしまうので、きちんと手入れして保存しましょう。いったん蜂に蜜を掃除してもらってから、完全に密閉できる箱や袋に入れて、二硫化炭素液を2〜3滴たらして消毒しておきます。「空巣脾の殺菌・消毒」に関しての詳細はこちらをご覧ください。
夏の間だけ蜂に預けておく方法もあります。これは余分に用意した継箱を3段継にして、夏の間だけ蜂に管理してもらう方法です。スムシの害は防げますが、取り外しのタイミングが難しようです。