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養蜂講座

  

越冬期は蜂も飛ばずじっとしているから見回る必要もないだろうというのは危険な考えです。突風で蓋が吹きとばされたり、巣箱が傾いたり、雨で保温材が湿っていたり、貯蜜欠乏群や女王喪失群が発生している可能性もあります。時間が許す限り蜂場へ出かけるようにしましょう。
写真提供・奥原圭永
貯蜜欠乏群の発見方法
きちんと越冬準備をしておけば越冬中に貯蜜欠乏を起こすことはほとんどないことですが、例年より寒さが厳しかったり、盗蜂に遭ったりが原因で貯蜜欠乏になる蜂群もあります。見回り中に貯蜜欠乏群のチェックをしましょう。越冬中の蜂群は巣箱の蓋を開けて内部を見るわけに行きませんので、下記の方法で貯蜜の有無を判断しましょう。
巣箱ごと両手で持ち上げて重さを見る 他の巣箱に比べて著しく軽いものは、貯蜜の減少が甚だしいと考えられます。
静かに巣箱に近づき、巣門に耳をあてて内部の音を聞いてみる 寒気が厳しいときは蜂球を作ってじっとしているのでほとんど音を立てませんが、人が近づくと「シュンシュン」という音を出して反応します。もしこの音が聞こえないようであれば巣門を軽く叩くと必ず「シュンシュン」と音を立てて反応します。いくら叩いても全然反応しないようであれば貯蜜が欠乏していると考えられます。

餓死に瀕した蜂群の救済法
貯蜜欠乏群を発見したら、直ちに給餌しなければなりません。しかし、餓死寸前の蜂群は給餌器で給餌しても、わずかに身体を震わせるだけで給餌器のあるところまで移動して糖液を吸い取るだけの体力がありませんので、応急処置として薄い糖液を蜂球全体に吹きかけます。吹きかけられた糖液を吸って元気が出てきたら、給餌器や貯蜜巣脾を与えて本格的給餌を行います。3月に入ってから給餌する場合は盗蜂の誘発が不可避なので、巣門の縮小や閉鎖をして、夕刻から始めるようにしましょう。

凍死に瀕した蜂群の救済法
凍死という現象は、それだけが単独に発生するのではなく、普通は飢餓の結果として起こります。つまり蜜切れのため蜂が発熱できず、蜂球の温度が低下して凍死してしまうわけです。したがって凍死に瀕した蜂群に対する応急処置は、餓死群の場合と同様に給餌ということになりますが、この場合は摂氏16度以上の温かい部屋に搬入して蘇生させたのち、薄い糖液を蜂球全体に吹きかけて吸わせます。その後、本格的給餌や貯蜜巣脾を与えます。給餌により充分な貯蜜が確保されたら、元の場所に戻し、しっかりした防寒設備を施します。
凍えた蜂は一見全滅したように見える 凍えて全滅寸前の蜂群は、巣箱を開けても全然動きませんし、巣脾を取り出してみると付着していた蜂がバラバラとこぼれ落ちてしまいます。一見したところ全滅してしまっているように見えますが、赤い舌を出していたり、身体の色が変わってさえいなければ、温かい部屋に入れれば間もなく息を吹き返します。全滅だと諦めて蜂を棄ててしまわないように注意しましょう。

女王蜂喪失群の救済法
温暖期に女王蜂を失うと「無王騒ぎ」を起こすので女王蜂喪失に気が付きやすいのですが、極寒の越冬下では蜂球内で騒ぐだけで巣箱の外へ出て騒ぐことはなく、そのまま無王の境遇に甘んじて平穏を保ちます。そのため、越冬下で女王蜂喪失を発見するのは難しいのですが、運良く見つけた場合は、すぐに合同させる必要があります。そのまま放置すると少しでも温かくなると働蜂産卵を始めてしまい、大きな損失を招くことになります。

早春に行う初内検の注意点
地ならば1月下旬、寒地でも2月下旬になると、これまでかたく小さく固まっていた蜂球が次第に緩んできます。さらに気温が高まれば働き蜂たちは巣房の掃除にとりかかり、女王蜂は産卵を開始します。暖かい日中には花粉を運び込む働き蜂も見受けられるようになります。そして、蜂球の中心部では卵が孵化して蛆になり、やがて有蓋蜂児が現れるようになります。この頃になれば一度、内検をする必要があります。
初内検の時期 越冬群が巣門から出入りするようになり、花粉が運び込まれはじめた頃の快晴無風の暖かい日の朝か夕刻前に行う。
初内検で調べること ・群を維持するだけの蜂数があるかどうかの確認
・貯蜜状況
・女王蜂の安否
・産卵状況
・その他の異変の有無
初内検の注意点 ・点検作業は極力静かに行い、
 女王を飛び立たせないように注意する
・素早く短時間で済ませる
・できるだけ少数の巣脾を引き出すだけで
 点検の目的を達するようにする
初内検は立春過ぎの暖かい日に できるだけ短時間で済ます