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養蜂講座

      

2月は一年で最も寒い時期ですが、冬至の頃に比べれば日照時間は長くなり、弱々しかった日差しも次第に力強くなってきます。巣箱の中で静かに越冬していると思った蜂たちですが、この頃になると働き蜂は巣箱内の掃除を始め、女王蜂は中断していた産卵を再開します。今月は流蜜期を強勢群で迎えるために大切な産卵開始から1ヵ月間の管理についてお話しします。

産卵開始時期
産卵開始時期は場所により、年により違いますが、おおよそ暖地で1月下旬、準暖地で2月上旬、寒地で2月下旬となります。蜂群は産卵開始後60〜70日で最強群となりますので、その地域の主要蜜源が大流蜜する2ヵ月前が産卵開始の最適期といえます。暖かい日中に花粉を運び込む働き蜂が見受けられるようになったら、越冬後初の内検をして産卵を確認する必要があります。
1つの巣房に1個ずつ産みつけられた卵。
やがて卵が孵り蜂児となる。

奨励給餌
産卵開始が著しく遅れている場合は蜂群の増強が流蜜期に間に合わなくなってしまいます。この場合は給餌することで女王の産卵意欲を刺激して産卵を開始させます。これを「奨励給餌」といいます。ただ、過度に早期の奨励給餌は建勢にあまりプラスしないようです。まだ産卵していない蜂群に奨励給餌を行うと必ず産卵が始まるので、そのことにより「奨励給餌は建勢に有効である」と考え勝ちです。しかし、それはいささか早計といえます。試みに奨励給餌をその後数日間続けてみると、一定限度以上に産卵が進まないことがわかります。また、本格的流蜜が始まった時の群勢や採蜜量を比べてみると無給餌群と全く変わらないばかりか、場合によっては劣っていることもあります。

補助給餌
奨励給餌と区別しなければならないものに、貯蜜が不足している蜂群に対して行う「補助給餌」があります。育児開始後の貯蜜の減少ははなはだしく、越冬中とは比べものになりません。まだ貯蜜があるから大丈夫と安心していると、あっという間に蜜切れで全滅してしまいます。一般に越冬中に全滅するものより、春先になってから全滅するものの方がはるかに多いので細心の注意が必要です。なお、貯蜜不足群への補助給餌は一時に大量に与え、基礎貯蜜ができるまで続けます。

飼料のつくり方
ハチミツ 薄い場合はそのまま与えます。濃い場合は1割ほどの量の水かお湯を加えて与えます。結晶している場合は熱して結晶を溶かしてから与えてください。
砂 糖 白砂糖と水を1対1(砂糖1sと水1リットル)で混ぜたものを与えます。溶けにくい場合はお湯で溶かすか弱火にかけますが、火にかける場合はたえず撹拌して焦げつかないように注意してください。なお、砂糖でもハチミツでも煮詰まったものは蜂にとって有害なので絶対に与えないでください。また、薄いものは下痢病を発症させるので注意してください。

盗蜂の警戒
早春期の給餌で気をつけなければならないのが盗蜂です。この時期は下記の原因により一年間で最も盗蜂が起こりやすくなりますので警戒が必要です。
1 蜂群の蜂数が少ないため盗蜂にたいする防御力が弱い。
2 育児が盛んになり、大量の蜜が必要になる。
3 まだ野外に花が少ない。
4 この時期の働き蜂はすべて老蜂なので性質が執拗

油断していて盗蜂に遭うと、かなり貯蜜があった群でも2、3日で蜜切れを起こし全滅してしまうこともあります。給餌の際は下記の防止策を実行しましょう。
1 巣箱外に飼料の匂いが洩れないよう巣門以外に間隙を作らないようにする。
2 給餌は必ず夕刻から始めて夜間に吸引させる。なお、翌朝までに吸引できず残った飼料はそのままにしておいて差し支えありません。
3 強勢群から先に給餌を始め、順次弱小群に与える。また、強勢群だけに給餌して、出来た貯蜜巣脾を弱小群に与えるのもよい方法。
4 飼料をこぼしてしまったときは水で洗い流すなどする。

下痢病
下痢病は早春に蜂が罹りやすい病気で主に下記の原因で起こります。下痢病そのものは大したことはありませんが、蜂群の増勢をさまたげるので注意しましょう。
1 越冬貯蜜の不良。
2 越冬中寒冷の日が多く、脱糞飛行ができなかった。
3 薄い飼料を給餌した。

万一、下痢病に罹ってしまった場合は、給餌を中止して、巣箱内の乾燥と保温を心がけて自然に治るのを待つ。