養蜂講座

  

養蜂講座6回目は「分蜂」についてお話しします。「分蜂」はミツバチを飼い始めた人が群数を増やしたい場合には都合のよいことですが、大量に採蜜したい人にとっては大きな損失を招く困った習性といえます。蜂群は強勢であればあるほど採蜜量が多く、たとえ分蜂した2群を合わせても、元の1群ほどの採蜜量に達しません。また、分蜂するミツバチは腹に入るだけの蜜を吸って飛び去るので、元の巣箱の貯蜜量が半減してしまいます。5月から7月の流蜜期は分蜂の危険性が最も高くなる時です。頻繁に内検を実施して分蜂を未然に防ぎましょう。

分蜂の発生
分蜂は流蜜期の天気が良く、気温が高い日に発生します。分蜂する日は巣門を出入りする蜂が極端に少なくなり、異常な静けさが漂います。そのうち次第に巣門に蜂が満ち溢れ、ついには数万匹の蜂が一斉に出巣し、巣箱の上空を円形になって乱舞し始めます。しばらく乱舞した後、付近の木の枝などに密集してとまり、球状になって団垂となります。団垂時間はおおよそ2時間から半日程で、その後再び飛び立ち、真っ黒な一団となってうなりをたてながら何処ともなく飛び去っていきます。これがミツバチの「分蜂」です。
出巣後、近くの木の枝に団垂する分蜂群。こうした分蜂群が人家近くの樹木に飛来して蜂騒ぎが起こることがありますが、むやみに騒ぎ立てず、そっとしておけばそのうちどこかへ飛び去っていくものです。殺虫剤をかけたり、叩き落したりしなければほとんど刺されることはありません。

分蜂を未然に防ぐ方法
群を拡散し、
発展意欲を満足させる
分蜂は蜂群の繁栄の頂点で起こるので、蜂数が増加するのに連れ空巣脾枠を入れ、巣箱が充満したら継箱を乗せて発展意欲を満足させる。
換気を良くする 巣内の温度・湿度が高いと分蜂を促進するので、空気窓を開けて換気を良くする。
女王蜂を更新する 女王蜂は老いると分蜂性が強くなるので、できれば毎年若い女王蜂に更新する。
分蜂性の少ない
蜂種を選ぶ
ミツバチは品種により分蜂性が著しく異なるので、分蜂性の少ない蜂種を選ぶことが重要です。
王台を取り除く 自然王台が出来れば必ず分蜂が起こるので、王台を発見したら直ちに除去する。
新たに一群を
増殖する
上記の対策を講じても分蜂熱が再燃した場合は、増殖が効果的です。王台の中から形の整った大きなもの2個ほど残し、他はすべて除去した巣脾枠と蜂児枠2枚を引き上げて新箱に移して新たに1群をつくります。こうすると、蜂群は分蜂を起こした気分になり、分蜂熱は解消します。

分蜂群の収容方法
分蜂群を収容するには、飛び出した蜂群が樹木にとまり団垂するまで慌てずに待機することが肝心です。初心者は逃げて行ってしまわないかと心配するものですが、必ず付近の樹木などに止まりますので、それからゆっくり収容作業にかかっても十分に間に合います。
低いところに
団垂した場合
団垂した蜂群の下にそっと空箱を持っていき、枝をゆすって落とすか、枝を静かに切って空箱に入れる。空箱の中には蜜の入った巣脾枠を3枚ほど入れておくとよい。
高いところに
団垂した場合
カゴか網を竹ざおの先につけ、蜂群の下へ持っていき、すくい上げるようにしてゆする。
板塀の中に
集団した場合
時に板塀の節穴から入って中で集団したり、草むらや樹幹に群ってとまることがあります。この場合は蜜枠を節穴の入り口にあてがったり、群れの近くに蜜枠を差し出しておくと移動してくるので、これを巣箱に収容する。

竿に網を取り付け準備完了 団垂した蜂群の下に網を持っていく

団垂をすっぽり覆って揺する 巣箱に収容する

すべての蜂を捕獲することができなくても、女王蜂さえ巣箱に収容されていれば、逃げた蜂たちも自然に巣箱に入ってきます。