養蜂講座

  

趣味で養蜂を楽しむ人の中には採蜜期が終わると、まったくミツバチの世話をしなくなる人もいるようです。この頃は美しい花が花壇や庭の片隅に開花しているので、こうした花から花蜜が分泌されると思い込み、ついつい放任してしまうのです。ところがこうした花から出る花蜜は思いのほか少なく、大家族であるミツバチたちの空腹を満たすことはできません。腹のすいたミツバチたちは仕方なく巣箱の貯蜜に手を出すことになり、ついには貯蜜をすべて食いつくし餓死してしまいます。運良く蜜切れを発見して給餌すれば餓死だけは免れるものの、蜂勢の回復に手間取ることになります。花が咲いているとはいえ、ミツバチたちにとって夏は冬に次ぐに過酷な季節であると認識する必要があります。

採蜜後の管理
採蜜後の管理を怠ると峰群は蜜切れから弱体化し、それに乗じてこれまで大人しくしていたスムシが勢いを得て巣を喰い荒らし始めます。こうなると「盗蜂」や「逃去」「産卵働蜂の発生」など由々しき事態が次々と発生して手がつけられない状態になります。それでは、どうしたら盛夏期に蜂群を弱体化させずに過ごさせられるかといえば、それは「自分たちの貴重な食糧を分けてくれたミツバチたちへの感謝の気持ち」しかありません。流蜜末期に樹木の蜜が入ってくるので、この分だけは蜂の越夏のために残し、決して分離しないことです。
巣箱の中に貯蜜を保有させることは、盛夏期だけでなく1年を通じて大切なことですので、頻繁に内検をして蜜切れを起こしているようなら給餌するよう心がけましょう。

盗蜂群とその対策
日本では夏に開花する蜜源植物が少なく、ミツバチたちは蜜に飢えています。こうした時に蜜の匂いがしてくると、その匂いに誘われて他の巣箱に入り込み蜜を盗む蜂が出てきます。これが「盗蜂」です。盗蜂は巣箱の前をブンブンと高い翔音で飛び回り、巣門から出てくる時に腹が大きく膨らんでいるのでそれと見分けることができます。盗蜂を発見した場合の対策として最も確実な方法は、盗蜂群を2km以上離れた場所に移動することですが、移動が困難な場合は蜂の外出が止まった夕方過ぎに、全群に片寄りなく給餌をすることです。簡単な方法としては盗蜂群だけに給餌して、巣門を縮小する方法もありますが、この場合は被害群の巣門も同時に縮小する必要があります。

逃去群とその収容法
貯蜜の欠乏やスムシの発生により生活環境が脅かされると、蜂群は自分の巣を見限って放棄することがあります。これが「逃去」です。逃去群を収容する方法は分蜂群の収容方法と同様ですが、分蜂群に比べて飛び立つ時間が早く、団垂位置が高い場所になることが多いようです。脚立や長めの柄をつけた網を使って捕獲し、新しい清潔な巣箱に収容します。この時、糖液を十分に与えることはいうまでもありません。

産卵働蜂群とその救済法
蜂群がなんらかの理由で女王蜂を失い、かつ変成王をも作り出せない状態に陥ると、働蜂の中に産卵を開始するものが現れます。これが「産卵働蜂」です。産卵働蜂が産んだ卵はすべて無性卵で、生まれてくる蜂はすべて雄蜂ということになります。こうなるとこの群は雄蜂ばかりになり遠からず全滅してしまいます。産卵働蜂群の救済方法は、まずこの群を他に移し、その跡に新巣箱を設置します。新巣箱には他群から蜂を除去した蜂児枠2〜3枚と貯蜜枠2枚を入れます。こうすると移動した産卵働蜂群から産卵働蜂と若蜂だけを残して大部分の蜂が新巣箱に戻ってきます。その後、新巣箱には優秀品種の女王蜂を誘入し、産卵を始めたら産卵働蜂群を合同させます。

暑さ対策
蜜や花粉不足に加え、毎日30度を越える日が続くようになると、蜂群は一気に弱体化してしまいます。この頃、給餌するのはいうまでもありませんが、適切な暑さ対策も必要となります。巣箱が風通しのよい木陰にある場合はよいのですが、直射日光が当たる場所に置いてある場合は、巣箱の上にコモや炭俵、段ボールなどを載せて、蜂を暑さから守ってやる必要があります。
直射日光が当たる場合はムシロなどを載せて日除けをする