田舎暮らしにあこがれていた渡辺さんは、16年前に長野県富士見町にログハウスを建てた。定年を迎えた4年前からは川崎の自宅にいるよりログハウスにいる方がずっと多くなったという。「ここは私が好きなことをするための場所です。美しい景色を写真に撮って現像したり、野菜を作ったり、大工仕事や工作もやります」と話す渡辺さんに、最近新たに好きなことが加わった。2001年3月からミツバチを飼い始めたのである。「飼い始めてからまだ5ヵ月しか経ちませんが、すでに分蜂騒ぎが2回、採蜜もしました。ミツバチに刺されたのは数え切れません。数日前にもいっぺんに6ヵ所もさされました」
それでも養蜂が好きなのはなぜですかという質問に、「自分で採ったハチミツを友人や知人にプレゼントしたときのうれしそうな顔に感激したからです」と笑顔で答えた。

渡辺さんのログハウスは、前に南アルプス、後ろに八ヶ岳が間近かに見える南向きの斜面に建っている。養蜂仲間の先輩である板村さんが時々訪れて、分らないことを指導してくれるという。

巣箱はテラスから見える場所にあり、いつでもミツバチたちの様子が観察できる。

「高い木の枝に密集しているミツバチの塊りを長い竿で叩き落として巣箱に入れました。最初は1群でスタートしたのですが、分蜂したミツバチを収容できたので、2群になりました。少し得した気分です」と2回も分蜂騒ぎに遭った渡辺さんは身振り手振りを交えて武勇伝を語った。
次に分蜂してもいいように、すでに予備の巣箱が手作りされていた。工作好きだけあって、市販の巣箱に比べ、ずっと頑丈そうで、仕上がりも美しいものであった。ハチミツを手渡した時の友人や知人の笑顔が忘れられない渡辺さんは、7月中に2度目の採蜜をする。

渡辺さんの愛蜂情報