近況報告。(2007.6.24)

<<概況>>
アカシアシーズンが終わり、あたりは栗の花が咲き始めました。栗は種類が多く、種類ごとに咲く時期がずれるため、この先長期間蜜源となると思いますが、梅雨の時期と重なり、蜜切れ傾向となる場合もあります。

<<西洋種>>
アカシアの採蜜の後も流蜜が続き、巣箱内には貯蜜が充満していました。産卵圏を圧迫していると判断して採蜜しました。収穫した蜜は、前回残しておいた巣枠を中心にしたためアカシア蜜と思われる淡色のあっさりした物になりました。3群から約25kgの収穫となり、前回の分とあわせると65kgのアカシア蜜が取れました。

蜂を観察していると色々な花粉を運び込んでいるようだったので、顕微鏡で観察してみました。多分、栗やシロツメクサあたりが多いと思ったのですが、書籍、Webで調べても花は特定できませんでした。
運び込まれた花粉 4種類に分類できた
花粉の顕微鏡観察 オレンジ色の花粉の顕微鏡写真
クリーム色の花粉の顕微鏡写真 黒っぽい色の花粉の顕微鏡写真
このタイミングで、女王更新のためにローヤルゼリー用の人工王台枠を入れました。その他、自然王台から出房していた新王もありました。この群は2王状態になっていたため、とりあえず分割しておきました。
出房した王台 出房した新王
<<日本種>>
人工王台に移虫したものを縦型隔王板を入れて蜂群に預けましたが、翌日には綺麗に掃除されてしまい受け付けてくれませんでした。自然王台ができない群は人口王台も受付が難しい様です。来週あらためてトライしてみようと思います。その他、営巣群の駆除依頼、種蜂分譲依頼が来ています。新王群が確保できないため、分譲できる群ができるかどうか不安です。
日本種巣枠
掃除された人工王台 日本種王椀

近況報告。(2007.8.12)
<<概況>>
今年は本業のミッション変更があり、海外出張が多くなってしまいました。アカシアのシーズンは何とか日本に居たものの、その後は何度かの海外出張で、蜂の世話が思うようにできませんでした。そのせいか色々な問題が起こっています。
中国で食べたカイコのサナギ
<<西洋種>>
西洋種は順調です。今年は一度も給餌をしていないのですが、西洋種の蜂達は元気です。アカシアの後の流蜜で、今年はたくさんの貯蜜枠が確保できました。既に越冬に充分な貯蜜分を蜂群から引き上げて保管しています。アカシアの直後の女王の更新もすべて上手くいきました。但し、放置期間が長くなり、予期せぬ自然王台からの出房もいくつかあったので、分封もあったと考えるべきでしょう。
<<日本種>>
日本種は今年色々なトラブルが起きています。駄目になった群が多数で現在の飼育群は7群しかありません。昨年の今頃は20群を越えていました。

1、分封しなかった
大町市では例年5月の終わりから7月の初めまでが分封シーズンとなりますが、ことしは13群の飼育群から王台ができた郡は2箱だけでした。この王台は人口分封して3群を増群しましたが、それ以外に王台を造った群はありませんでした。また、人工王台を何度か投入しましたが、移虫した幼虫を翌日には掃除してしまいどうしても王台を育てようとしませんでした。気候の問題だと思いますが、なぜ分封しなかったのか判りません。

2、流蜜過多による蜂群の消滅があった。
重箱式の巣箱の場合、内検が出来ないため、育児状態を確認することができません。3群が貯蜜に圧迫されて育児ができず消滅しました。状態としては、巣板の有蓋巣房から若蜂が出房すると、そこに貯蜜を入れてしまいます。新しく育児する場所がなくなり、巣の一番下端まで貯蜜で満たされています。今まで起きたことのない巣落ちも今年は何件か発生しました。落下防止の棒が入れてありましたが、役に立たない状況でした。


3、女王蜂が居なくなる群が多かった
女王蜂が居なくなり、蜂群がだめになる群がいくつかありました。やはり新王になることで群勢が高まるということでしょうか。今年は自然分封が無く、旧王群の確率が高かったためでしょうか。いつの間にか働蜂産卵、いつの間にかスムシという群がいくつかありました。


4、のっとり?働蜂の女王蜂化?
これは推定ですが、状況証拠から蜂群が駄目になるメカニズムかも知れません。発生次期は昨日(8月11日)です。
@西洋種による盗蜂防止のため、スリットを付けた群を夜内検に行くと、巣門の外に女王蜂が居た。女王蜂は働蜂に近い程小柄で、色艶から見て旧王ではなく、明らかに新王のように見える。
A盗蜂防止のスリットを外すと中に入っていった。
Bスリットが有るのにどうやって外にでたのか不思議に思い内検すると、巣箱にはお尻の大きな元気な元王が産卵中だった。
C巣門に居た小柄な女王も巣の中でロイヤルコートを受けている(馴染んでいる)
D巣板をすべて引き上げて確認したが、王台は無かった。どこから来た女王か不明だが、出房の形跡は無い。働蜂房から生まれたのか。
E小さい方の女王を王籠に隔離して巣板の間に吊るして翌日分割するつもりでいた。
F翌日分割しようと王籠を見ると女王蜂は王籠には居なかった(脱出)。内検すると、元王は巣箱の下に落ちて痙攣状態。小柄な女王は巣の中を歩き回っている。
巣板が落下した群 小さな新王
今後の経過を観察しないとわかりませんが、なんらかの理由で低機能の女王が生まれて旧王と交替してしまい、蜂群が消滅することがあるのかも知れません。@からFの事実から考察すると次の通りではないかと思います。

推定1 新王は王台ではなく、普通の巣房から生まれた。そのため体格が小さく、盗蜂防止スリットや王籠を通過できた。

推定2 新王は、ちゃんとした王台で育っていないため、産卵能力が無い、または非常に低い可能性がある。(働蜂と同程度)

推定3 新王は本来の機能が不足しており、フェロモン不足から働蜂産卵になったり、産卵した卵の羽化率が低かったり、産卵力が低いため、蜂群が維持できなくなり、蜂群が消滅に至る。

ニホンミツバチは本当に難しいです。また、理屈が付けられない現象がいくつも起こります。それは長い進化の中で獲得した習性だと思いますが、何のために起きているのか知りたくてたまりません。
会社(松本市)の隣にある小さな神社の自然営巣群の様子です。最近の暑さでものすごい数の蜂が外に出ています。

高橋さんの愛蜂情報