近況報告。(2007.10.7)

<<概況>>
大町市は、最近すっかり秋めいてきました。朝の最低気温は10℃を割る日も多くなってきました。周囲のセイタカアワダチソウは黄色く色を着け始めたところです。

<<西洋種>>
貯蜜たっぷりの各群は、比較的順調に推移しています。巣碑はすべて貯蜜で一杯なので、新しい巣礎を入れていましたが、流蜜が無くなり巣を盛らなくなりました。巣箱の中の貯蜜は何故か結晶を始めてしまいました。引き上げてある貯蜜枠は結晶する気配はありません。無性卵を生んでしまう女王蜂は女王更新をするには時期が悪いのでこのまま様子をみることにしました。観察対象としては非常に面白い状態です。産卵は他の女王と変わらず順調ですが、やはり無性卵を働蜂巣房に生んでしまいます。写真では少し判りにくいですが、巣蓋が少し飛び出しています。

巣内で結晶した貯蜜 無性卵のある巣板
働蜂に異常が見られます。
@雌雄同体の固体がありました。

オオクワガタでは時々話題になりますが、左右で雄雌の異なる個体を見つけました。死体だったので写真が上手く撮れませんでしたが、顔の左側がオス、右側が雌です。首から下は働蜂のようです。針も持っていました。
A顔がオス、首から下は働き蜂
こちらは巣の中に何匹が居ました。左右の目が大きく、近接しているので、顔としてはオス蜂です。でも首から下は働蜂です。針もあります。
顔の左側が雄、右側が雌 顔が雄、首から下が働き蜂
●考察
この女王は産卵能力には問題が無いのですが、生殖機能に異常があり、卵と精子を上手く受精させられないと考えられます。時々生まれる雌雄同体の固体は、単性生殖(半数体)が雌化したものではないかと思います。本来無性卵が半数体としてオス蜂になるのですが、働蜂巣房に産卵され、餌も巣房のサイズも、その他の環境も働蜂として育てられた結果、雌雄同体が生まれたのではないでしょうか。本当は、DNAを調べれば一発で判ると思うのですが、不可能です。
●追加情報です。玉川大学の先生から情報をいただくことができました。
雌雄の特徴が入り乱れてしまう現象をギナンドロモルフという様です。最もよく知られたメカニズムは複数の精子による同時受精で、多核精子による受精や、卵細胞が多核化していて、二倍体部分(つまり雌)と半数体部分(雄)ができるなどのメカニズムが知られているそうです。
インターネットで検索するとたくさん情報がヒットしてきます。蝶では、前羽と後羽で雌雄が混ざるケースもあるようです。生物の世界は本当に面白いです。
<<日本種>>
いくつかの群が西洋種の盗蜂に遭いました。盗蜂にあった群は、一旦その場所に別の空箱と空巣碑を置き、少し離れた場所に移動しました。今年はは貯蜜枠がたくさんあるので、貯蜜枠で越冬用の蜜を与える事ができます。でも、盗蜂によってやる気のなくなってしまった群があり、貯蜜枠を入れても働かず、スムシにやられてしまう群もありました。現在生き残っている日本種は6群だけになってしまいました。このまま早く寒くなってくれればと思います。

近況報告。(2008.3.22)
早春の北アルプス

<<概況>>
今年の冬は寒さが厳しく、蜂達にとっても厳しい越冬だったと思います。
あたりの雪もようやく消え、蜂達も昼間の暖かい時には盛んに飛び回っています。

<<西洋種>>
越冬させていた5群すべてが2月の終わりに巣箱の温度上昇を確認していました。(育児開始と考えられる)本日、今年初めての内検をしました。5群とも、例年よりも蜂減りが多かった様に思います。9枚満群で越冬開始しましたが、一番外の2枚は蜂が薄い状況でした。寒さで死んだ蜂や、脱糞から戻れなかった蜂が多かったためかも知れません。5群ともに産卵育児が順調に進み、各群とも4〜5枚の育児枠になっていて若蜂の出房が盛んになってきています。心配した貯蜜も2〜4枚の蜜枠に充分な貯蜜があり、給餌の必要は無さそうです。村上式100kg採蜜の成果だと思います。
天気の良い日は盛んに出入り 産卵育児が順調に進む
<<日本種>>
日本種は5群での越冬でしたが、西洋式巣箱での飼育群が寒さのためか、別の理由か判りませんがに越冬に失敗しました。貯蜜は充分なのですが、巣箱の中で蜂がすべて死んでいました。その他の群は、盛んに花粉を運び込んでおり、順調な越冬ができたと思われます。越冬前の扱いや巣箱の特性で次の様なまとめをしてみました。このまとめの結果から、私の場合、巣枠式と重箱式を取り混ぜて飼育しないと、失敗した場合に再建できなくなると考えられます。
花粉を無運び込む日本種
●西洋種巣枠式飼育
・晩秋の盗蜂によるダメージを蜜枠で補填できる。
・平面積が大きいため、日本種が厳しい寒さを越冬するには熱効率が悪い。(越冬失敗しやすい)
・春の王台が遅れたり、作らないことがある。
・王台が出来た場合の人工分封は簡単である。
・内検が容易。
●重箱式飼育
・晩秋に盗蜂されたら再建できなくなってしまう。
・平面積が小さいため、寒さに対して熱効率が高く有利
・不要な巣碑をかじり落としてしまうため、春には新しい巣板をつくるため、王台を作りやすい。
・内検がしにくく、自然分封をさせてしまいやすい。
かじり落とした巣 金稜辺の花芽

高橋さんの愛蜂情報