近況報告。(2012.7.17)

<<概況>>
梅雨入りは例年より数日遅れ、梅雨明けは例年よりも数日早かったというニュースを見ました。私の住む大町市でもそれほど雨は降らず、好天が多かったように思います。春先の立ち上がりが遅れた分アカシアの収量が少なくなりましたが、好天のためそれほど悪い収穫にはなりませんでした。
ミツバチ調査と養蜂技術指導のために、6月22日〜29日でロシア極東のクラスニャール村に行ってきました。現地では広大なタイガの森の中で養蜂をしており、環境には恵まれている様です。蜜源の量に対する養蜂群数は微々たる物で日本での調整会議がばかばかしく思える程です。どこで飼育しても近隣の養蜂場に影響することはないです。また、東洋種もたくさん訪花しており自生も数多く居ると思われます。東洋種の飼育についても高い可能性を感じました。但し、西洋種の蜂場でも管理養蜂には程遠い状況で、きちっとした養蜂をすれば収量は2〜3倍に跳ね上がると考えられます。ましてや東洋種は飼育者がほとんど居ないと言う状況でこちらもこれからいくらでも行けるという状況でした。

ロシアのタイガの森
トラが出るのでハンターが先導
ロシアでの蜂場見学
脳炎ダニ (ロシア滞在中に3ヵ所を刺された)
ロシアで見た尻に花粉を着けて飛ぶ蜂

<<西洋種>>
梅雨の雨が少なかったためか越冬後の増勢が伸び悩んだ割には収量はまずまずの
状況でした。結果的には西洋種の採蜜群6群で180kg程度の収穫でした。また、アカシア直後にロシアに1週間行っていたため放置していたのですが、各群ともに貯蜜が一杯になり育児圏が圧迫される状況になっていました。育児圏を確保する分だけの採蜜をして現在に至っています。ところが、この3連休の間に農薬による薬害死が多発しました。蜂の死に方は壮絶でオレンジ色の花粉を付けた帰巣蜂を中心に巣門前に死体の山ができました。また、殺虫剤を浴びたハエがのたうち回る様な状況でもがく蜂達がたくさんいて、屋上全体に苦しんで徘徊する蜂たちだらけになり、夜もそのままの状況が続いています。2日間で被害を受けた群は3群、3段満群でしたが蜂の数は半数程になってしまいました。果たしてこの蜂群の貯蜜は食用にできるのかも不明のままです。さすがに今回は何らかの手を打つ必要があると考え家畜衛生保健所に連絡をしました。家畜衛生保健所では病気は扱うものの、薬害は管轄外との事で受け付けてもらえませんでした。そこで、今度は長野県の農政課に連絡をすると死んだ状況を記録した写真と死蜂のサンプルを提出するよう言われ今日(7/17)の朝現物を届けてから会社に行きました。昼ごろ連絡が入り、農薬の分析には1成分あたり2〜3万円かかりそれは被害を受け届け出た人が負担しなければならないという事でした。個人では農薬の特定をするためにそんなに費用を掛けることができず、結局泣き寝入りです。

ラジコンヘリ住民通知書 ラジコンヘリ保育園通知書
薬害死した蜂

<<日本種>>
6月後半に人工王台で女王を養成して人口分割をしました。各群とも女王が紛失する事態が発生し、連続で作り続けた人工王台を使い、働蜂産卵に陥りながらも何とか新王を立ち上げることができました。現在は丸太飼育1群と巣枠飼育6群、待ち箱飼育1群ですが、この中の3群が薬害で壊滅的な状況になってしまっています。

<<追伸>>
農薬の被害は毎年ラジコンヘリによるカメムシ駆除の時に大量死が発生しています。今年はラジコンヘリが7月の終わり〜8月の始めにかけて計画されているので、今回の被害に加え大打撃は間違い無いと思います。なんとかする方法は無いのでしょうか。


近況報告。(2012.9.16)

<<概況>>
7月〜8月にかけて行われたラジコンヘリでの農薬散布によりみつばち達は甚大な被害を受けてしまいました。水田のカメムシ駆除の農薬は数週間の間を空けて繰り返し散布される様です。また地区ごとに散布日がずれておりヘリコプターの音が1ヶ月程続いていました。アカシアの採蜜までは順調だった蜂たちは繰り返される農薬で大量死し毎朝屋上の死蜂掃除が私の日課となっていました。また、例年に無い残暑で9月に入っても暑い日が続いています。信州でも昼間は30℃を超え蜂たちも冷却用の水汲みが忙しいようです。

ヘリが散布する農薬「スタークルゾル」 「スタークルゾル」の説明書
農薬の影響か? 一つ目の蜂を発見!

<<西洋種>>
農薬により蜂が一気に減りました。若蜂が生まれて回復するかと思う頃に次の農薬散布があり、例年の様に持ち直しに長い時間がかかっています。アカシア採蜜後に4段に上がっていた最強の群が最も大きな被害を受け、最終的には3〜4枚群になりその上女王蜂も死んで巣門の外に出されてしまい他の群に合同という結果になりました。女王蜂の突然死は強群から順に発生しました。推定でしかありませんが、女王は群の中では最も長生きで、産卵のために大量の(ローヤルゼリー(花粉が原料)を食べ続けます。強群の女王ほどたくさん食べることになり、結果的に農薬摂取量が多くなると思われます。農薬入りのローヤルゼリーを大量に食べた女王蜂は解毒能力が間に合わず、(または解毒限界を超えて)死んでしまうのではないでしょうか。今年は9月に入って蕎麦が大量流蜜しています。各群共に産卵場所が無くなりいわゆる貯蜜圧迫状態になってしまいました。先週中に6群から60kg程の貯蜜を絞り産卵圏を確保しましたが、すぐに貯蜜が一杯になってしまう状況で、この3連休も採蜜をしています。産卵圏確保のために糖度の低い所も絞らなければならない状況です。既に越冬用の貯蜜枠は50枚程確保してあり、無駄巣も造っている状況なので巣礎枠を盛らせて見ようと思う程です。

農薬による大量死
今年は更新用女王に背番号を付けた。

<<日本種>>
地上に置いてある日本種の農薬被害は更に甚大でした。人工分割して増群した群と待ち箱で捕獲した群合わせて9群ありましたが、ヘリコプター散布の後で全て全滅してしまいました。現在は空中散布後に山にしかけたトラップを持ち帰った群が2群だけとなりました。崩壊していく過程は次の通りです。
@ヘリコプター散布直後。巣内、巣門付近に死蜂が多いが大量死という程ではなかった。家の周りに花粉をつけた蜂がさまよっている。家の中に入ってくる蜂もいる。
A3日後。蜂が目に見えて減少している。死蜂は巣門前に100匹程度
B1週間後。死蜂は1日100匹程度を確認するにとどまるが巣内はガラガラ状態、この時点で巣枠式は巣枠を引き上げてバランスを取る。
C2週間後ほとんど蜂の出入りが無い状態。巣内にはある程度の蜂は居るが、蜂群をかろうじて維持している程度。各群3000〜5000匹程度
D3週間後ラジコンヘリの2度目が始まる。巣内には女王蜂と数百匹の働蜂が残っている。実験的に西洋種の助っ人を入れてみるが好転しない。
E1ヵ月後女王と数匹の働蜂だけになり巣は巣虫にやられている。いくつかの群を合同しても1群が構成できない程。田んぼの中の一軒家というロケーションで蜂を飼育することは難しい状況です。どこかに土地を借りられれば良いのですが、プロの養蜂家の方々がおり、良い場所は無いのが現状だと思います。

「ミツバチがいます 農薬を掛けないで!!」の看板

<<その他>>
ネオニコチノイドは神経系に影響がある薬という事ですが、気になることがあります。
@昨年ラジコンヘリの飛んだ翌日に母がメニエルで動けなくなり数日仕事を休んだ。
A2度目のラジコンヘリの時も翌日にメニエルが発症して数日休んだ。

B今年はラジコンヘリの日は外出せず家の中でマスクをして過ごしたが、数日後
にメニエルの症状(重くならなかった)が出た。この時期以外にメニエルは発症しません。
Cラジコンヘリの1週間後に私の耳にエコーがかかった様な症状が出た。耳鼻科で
見てもらうと、「突発性低音感音型難聴」と診断された。耳の機能に問題はなく神経系の病気だとの事でした。
D2度目のラジコンヘリの1週間後から左目のまぶたがピクピクする症状が2〜3
週間続いて消えました。
気にし過ぎかも知れませんが、何かあるとネオニコチノイドではないかという恐怖
におびえています。


高橋さんの愛蜂情報