近況報告。(2013.5.7)
<<概況>>
この年の冬は例年になく寒い冬となり、マイナス15℃以下の日が続きました。それにもかかわらず西洋種の産卵は例年以上に早く、春の訪れが早いことを予測させました。暖かくなるのが早かったので、例年にない立ち上がりを期待していましたが、遅雪や遅霜が続き、5月になっても霜が降りる様な状況で、蜂たちも対応に困っていたと思います。

5月5日の状況
<<日本種>>
昨年のネオニコチノイドの空中散布により壊滅的な被害を受け、秋の育児もはかどらず老蜂が多い群での越冬となりました。越冬前の蜂数も貯蜜も豊富であったにもかかわらず越冬中の死蜂が多く養蜂開始以来初めて越冬に失敗した群がでてしまいました。山梨のN氏から譲り受けた群を含め4群での越冬でした。西洋種の貯蜜枠を入れた群は貯花粉に含まれるネオニコチノイドの影響か、春の育児開始後の本来ならば蜂が増えていく時期に徐々に蜂が減り崩壊してしまう群がありました。あと1〜2週間で分蜂の時期が始まりますが、今年は久しぶりに待ち箱を仕掛けなければなりません。
春に崩壊した日本種
春に崩壊した女王

<<西洋種>>
今年の産卵開始は2月の6日でした。私の養蜂経験のなかで最も速い産卵開始となり春の立ち上がりを期待しておりましたが、その後の寒さで例年並みの建勢となっています。現在、1群が3段(22枚)を乗せた段階で、その他の群が2段(15〜18枚)程度です。
今年は気の荒い群が1群あります。この群はとんでもない荒くれで、
他の群から内検を始めても常に10匹程が絡みつき、蜂場以外の場所で何もしていない女房までが刺されてしまう様な状況です。この群の巣門を予め閉めて作業をすると絡んでくる蜂はまったく無く、この群の個性の様です。この群は昨年の空中散布で最も被害の大きかった群で、他の群から越冬蜂を加勢した群です。ネオニコチノイドの影響なのか、それとも晩秋の合同が影響しているのか判りませんが、早速一番成績の良い群から子をとり女王養成を仕掛けました。
人工巣礎(藤原養蜂)を試験的に入れてみました。雄蜂巣礎はすぐに盛りましたが働蜂巣礎はなかなか盛りません、群内の雄巣房が不足しているためと考えられます。人間の都合で働蜂の巣ばかり与えますが、蜂のバランスとしては3割程度の雄蜂巣礎が欲しい様に思います。

人工雄蜂巣礎
産卵が速い人工雄蜂巣礎

●三角コマについての考察
巣枠同士の距離は三角コマを使うと15ミリ、自距金具を使うと8ミリ程度となる。三角コは採蜜時の蜜蓋の切りしろを確保するための物で養蜂を職業として行う場合、容易に採蜜可能な距離を確保できるため非常に都合が良いように思える。
私も昨年までは
すべての巣枠に三角コマを付けていたが、メリットよりもデメリットが多い様に思えたため今年はそれを全て外すことにした。

●三角コマを外した理由
 @ビースペース(本来のミツバチの巣枠間隔)と合っていない。
 A巣枠の間隔を自分で決められない(15ミリ以下にできない)
 B三角コマに巣碑を当ててしまい傷がつく(傷のついた所は雄蜂巣房になる)
 C三角コマで蜂を挟んで潰してしまうことがある。
 Dそのまま日本種に使えない(日本種は三角コマを外す必要がある) E巣枠上の蜜蝋やプロポリスを取りにくい。
 F保管する時に巣箱に入る数が少なくなってしまう。
 G巣枠を作るときに手間がかかる。
 H単価は安いがただではない。
 I自分は定置養蜂なので、移動で動く心配をしなくても良い。どうしても移動する場合は釘で止めれば良い。

三角コマを外した巣脾枠

近況報告。(2013.7.21)
<<概況>>
今年は4月21日に大雪が降り、春の建勢中だった蜂たちも急な寒の戻りで巣内は対応に追われていたと想像されます。育児圏だった所が空になり、温度維持が難しかったことを示していました。
また、この寒さはミツバチを始めて以来の一大事を引き起こしました。例年だと、青葉が芽吹く時期にアカシアがまったく芽をださず、開花が遅れるのかと思いきや、花がほとんど咲きませんでした。この打撃は安曇野地域の養蜂家全体に及び、信濃毎日新聞でも記事になりました。

アカシアの芽がでない。 (5/13撮影)

信濃毎日の記事
<<日本種>>
例年よりもやや早めに王台ができましたが、人工分割をしようと見たところ、全て破壊されていました。気候の変化で仕切り直しをしたようです。それでも、その後の王台は順調にでき、無事に人工分割も完了しました。アカシアは咲きませんでしたが、赤みの強い流蜜が続き、今のところ盗蜂も発生せず順調に推移しています。現在飼育中の9群ですが、まもなくネオニコチノイドの空中散布があり、このまま飼育していても昨年同様最終的には全滅してしまう可能性が高いです。そこで、今年はやや離れた所に山林を借りました。農薬散布のタイミングを避けて移動しようと思っています。但し山深い所ではなく、水田から200m程度しか離れていないのでどうなるか判りません。

<<西洋種>>
アカシアが壊滅的だった今年ですが、アカシアが無くても違う花から大量の流蜜があったらしく、収量は例年以上の結果となりました。採蜜群6群からおよそ400kgの収穫となりました。人気のアカシアほどの人気はありません風味豊かで美味しいはちみつです。
昨年のネオニコチノイドの空中散布の大被害の中、なぜか被害をほとんど受けなかった群がありました。あまり、集蜜力はありませんでしたが、もしかしたらネオニコチノイドにある程度の耐性がある可能性があると考え、今年の女王はこの群から子をとり作りました。屋上での飼育で借りた山に移動することもできませんが、耐性についての評価はできそうです。
812日にはラジコンヘリによる空中散布があります。NHKのクローズアップ現代のディレクターから取材の申し込みがありましたが、最終的には実現するかどうか判りません。空中散布後に状況をレポートさせていただきます。

アカシアを待つ西洋種 (5/13撮影)

高橋さんの愛蜂情報