台風7号が接近中の2002年7月15日、長野県茅野市車山高原のペンション「ぎんのさじ付設はちみつ蔵」において、初心者向け養蜂講座が開催された。回を重ねるにつれ参加者も増加し、4回目の今回は11名を数えた。これまでは定年退職者や定年を間近に控えた男性が多かったが、若い人やご夫婦の参加もあり、趣味の養蜂が幅広い層に少しづつ拡大、浸透しつつあるのを実感した。

会場となったペンション「ぎんのさじ」と養蜂博物館「はちみつ蔵」
養蜂博物館「はちみつ蔵」の詳細はこちら

養蜂講座主催者の山崎昭二さんご夫妻

講座は養蜂の基礎に関する講義から始まった。参加者のなかで実際にミツバチを飼育している人はひとりだけで、あとは興味はあるもののミツバチや養蜂についてはよくわからないという人たちばかりである。山崎館長の講義の一つ一つに新鮮な驚きを感じ、興味を深めていく参加者たちを見て、ほかにいくらでも趣味があるのになぜ養蜂なのかを知りたいと思って理由を聞いてみることにした。

渡辺 忠・美恵子さんご夫妻
参加者の中で唯一ミツバチを飼育している渡辺さんは、「今回家内を連れてきたのは、家内にも養蜂の楽しさをわかってもらい一緒に楽しんでほしいと考えたからです」と参加理由を語った。
一方奥様は、「主人は私よりミツバチの方が大切らしく、私はいつもほったらかしですよ。ゴルフウィドウというのは聞いたことがありますけれど、ビーウィドウは私くらいのものではないかしら」と手厳しい。そうは言いつつも、今回の講座でご主人がミツバチに夢中になる理由の一端を垣間見たようだ。

下平 武・公子さんご夫妻
長野県富士見町に手作りの家を建て、食べ物も手作りしながら田舎生活を堪能している下平さんご夫婦は、「これまでおじが採ったリンゴのハチミツを砂糖代わりに使っていたのですが、そのおじが養蜂をやめることになりまして、来年からハチミツが手に入らなくなってしまいました。
それならいっそ自分たちでミツバチを飼ってハチミツを採ったらと思って参加しました」と笑いながら答えた。

兼高 靖之さん 原 公信さん
静岡市の兼高さんは地質研究の仕事を退職したあと、所有する山林の木を自分で伐採して家作りや炭焼きを楽しんでいるが、もうひとつの楽しみとして養蜂をやってみようと参加した。日本ミツバチに興味があるようで、杉の丸太をくり抜いた巣箱を山に置こうと考えている。 船の設計をしている広島市の原さんは、茅野市に別荘があり、そこで養蜂をやりたいと思い参加したという。講座でミカン蜜やビワ蜜があるのを知り、故郷の広島のミカン畑やビワ畑に巣箱を置いたらハチミツがたくさん採れそうだと夢を広げていた。

藤岡 亀雄さん 黒岩 光男さん 高橋 幸夫さん
2年前に東京田無市から穂高に移り住んだ藤岡さんは、転居をきっかけに、昔、お父さんがやっていた養蜂を始めたいと思い参加した。 大阪住吉区から参加した黒岩さんは、手作りの家、自給自足に憧れをもっていて、養蜂もその一環としてやりたいと考えている。 長野県松本市から参加した高橋さんは、食の安全性が叫ばれる中、自分で搾った安心できるハチミツを食べたいと思っている。

次ページへ