採蜜作業が一段落した芹沢さんが増群についての経験を話してくれた。「実はハチミツを採るより蜂を増やす方が簡単なんだ。それでも10群からいきなり20群にするのは無理だよ。まず、10群から12群、12群から15群といった具合に増やして、40群になれば後は一気に増やせるよ。でも趣味で飼うなら5群くらいが一番おもしろいと思うな。養蜂家になるなら別だけど、群数が増えても大変なだけで、楽しめないからね」
芹沢さんの巣箱は3段、各段に隔王板を入れ、継箱にも巣門が切ってある。こうすることで、各段の独立性が強まり、貯蜜にも増群にも都合がよいのだという。
カーニオラン交配種の蜂群はどれも蜂が蜜集した強群ばかりだ。カーニオラン系は大人しくて、採蜜量が多く、病気に強い、アマチュアにとっても飼いやすい蜂種だという。写真は産卵する女王。

採蜜後自宅に戻り、奥さんの藤子さんを交えてお話を伺った。「来年3月に40年以上勤めた香料会社を定年するので、本格的に養蜂に取り組むつもりです。ハチミツだけでなく、種蜂の販売もしたいと考えています。ビートピアの愛好者にも、優秀な種蜂を低価格で提供できると思いますよ」との言葉に、毎年全滅させてしまうアマチュア養蜂家としては、なんとも頼もしい思いがした。
藤子さんは「これまで主人の手伝いはあまりしなかったのですが、定年したら一緒に蜂場に行こうと思っています。濡れ落ち葉になってしまう人が多いと聞きますが、主人にはミツバチがあるので、その点はまったく心配していません」とご夫婦とも今から来年3月の定年が待ち遠しいようだった。
30年前、自宅の庭に植えた「ビービーツリー」は2階の屋根に達する大木に育ち、夏の蜜枯れ時に大流蜜して、ミツバチたちを救っている。
さて、冒頭の「ミツバチ飼育に関する秘密を解き明かす」という記者の野望はどうなったのか…。残念ながらそれは空振りに終わったようだ。芹沢さんの蜂に対する扱いやお話しを聞いて思ったのは「ミツバチ飼育に王道なし、愛情を持ってこまめに世話をするのが一番」ということだった。最後にミツバチ愛好者に励ましの意味をこめて「蜂が好きならいつか必ず上手に飼えるようになる」という芹沢さんの言葉を贈ります。

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