2001年10月中旬、秩父の養蜂家・浅見孝二さんが「地蜂追い」をするというので体験取材に出かけた。地蜂とは体長約20mmの地中に巣を作るクロスズメバチのことで、「ヘボ」「スガレ」「タカブ」などとも呼ばれている。岐阜や長野、愛知、静岡、山梨などの山間部では昔から貴重なタンパク源として、巣の中の幼虫やサナギを取り出し甘露煮にして食べてきた。流通が発達し多彩な食品が手軽に手に入る現代では「蜂の子」を食べる人は少なくなっているが、伝統の大人の外遊びとして「地蜂追い」を楽しむ愛好家は逆に増えているという。(蜂好きのイベント「ヘボの巣コンテスト」はこちら)



直径20cm余りのクロスズメバチの自然巣。 巣の中には「蜂の子」が詰まった巣板が何段にも重なっている。

今日の「地蜂追い」の舞台は、秩父市内から車で1時間以上走った山梨県境の山中である。
地蜂をおびき寄せるために、杉の枯れ枝にニワトリのレバーを刺したものを立て、枝の途中に縛り付けた枯葉には赤ワインとハチミツを混ぜた特製ドリンクを吹きかける。
餌を仕掛けた後は、ひたすら地蜂がやってくるのを待つ。

餌におびき寄せられた地蜂(写真1)。地蜂に目印の綿を付けた餌を持たせる(写真2)。地蜂が巣に向かって飛び立つのを待つ(写真3・4)。

綿の目印を付けた地蜂の行方を見定める 地蜂を見失わないように、山中を一目散に追いかける 目印が重過ぎると途中で木の幹に止まって休むこともある

決死の追跡の結果、ついに巣の入り口を発見!! 目印の綿が枝にひっかかり餌を巣内に運び入れられずにいる地蜂

巣穴に煙幕を差し込み、蜂を気絶させる 巣を壊さないように慎重に掘り出す

ついに直径20cm余りの巣が現れる 巣を手にした瞬間、苦労が喜びに変わる

「蜂の子」がぎっしりと詰まったクロスズメバチの巣

次ページに続く